育児をプラスに!IKUG+
なぎさです。
昨日、長崎で開催された「女性活躍推進」に関するセミナーに登壇させていただきました。
様々な組織のご担当者が集い、女性活躍の本質について理解を深め、
組織としてどのように多様性を活かしていくのかを考える時間となりました。
「女性活躍」という言葉には、時に様々な誤解を伴います。
男性たちからは「女性だけに下駄をはかせるのか?」「うちは男女平等だから」。
当事者である女性たちからも「わたしたちって活躍してないの?」という声が聞こえてくることもあります。
しかし、女性活躍推進とは働き方の柔軟性、評価基準の透明性、ライフステージへの配慮など、誰もが働きやすい職場をつくっていくということにつながります。
女性だけでなく、育児や介護を担う男性、持病を抱える社員など、すべての働く人にとってプラスに働きます。
つまり、女性活躍推進とは「多様な人材が活躍できるために、組織にしなやかさを生み出す取り組み」なのです。
年齢、国籍、価値観、性別など、組織にはすでに様々な多様性が存在します。
では、なぜ女性ばかりが取り上げられるのでしょうか。
それは、女性がマイノリティの中のマジョリティだからです。
共働き家庭が片働き家庭の倍以上になり、働き続ける女性は増えました。
でも、職場において意思決定層や管理職に占める女性の割合を見れば、女性はまだまだ“マイノリティ”です。
この状況は、組織が“形式的な平等”ではなく、“実質的な公平性”に目を向けなければならないことを示しています。
例えば、育休制度は性別に関わらず誰でも取得できるようになっていても、女性と男性の取得率にはまだまだ大きなギャップが存在します。
制度が「誰にでも使える」ように整っていても、実際には使いにくいと感じている人が多いなら、それは制度として十分に機能しているとは言えません。
なかでも、育児と仕事を両立しながら働く「ママ」の存在は、多様性を活かすための“試金石”です。
限られた時間の中で業務効率を高めたり、周囲との協力体制を築いたり、自分のリソースを戦略的に使う力が磨かれていく。
それは、どんな社員にとっても必要なスキルです。
また、ママの働きやすい職場は、他の多様な立場の人にも優しい職場になります。
障がいのある方、介護を担う方、海外にルーツを持つ方、LGBTQ+の方…、
一人ひとりの違いが尊重され、活かされる風土は、組織全体のしなやかさを育みます。
女性活躍推進という言葉が使われ始めて久しい今、私たちは次のステージに来ているように思います。それは、「誰かのために支援する」という段階から、「私たち全体の未来のために変えていく」という段階への移行です。
多様性は、“強み”として組織を前進させる力になります。
そう考えると女性活躍や多様性推進は特別なことではなく、組織の成長に欠かせない「当たり前の経営戦略」であり、力強い組織の未来をつくる礎になるのです。